2024年11月3日日曜日

黒牢城  米澤穂信

 時代物で推理小説仕上げ。五編の短編がそれぞれ独立した推理小説で、どれも牢に入っている黒田官兵衛が謎を解くヒントを城主荒木村重に知らしめる。

第一章 雪夜行燈の、からくりはどこか別の小説で読んだ気がする。庭に行燈があり、それが使われたのではないかと予想し、それが当たったからである。

第二章は犯人が村重であったとは読者をたばかっておる。

第三章は巧く読者を最後まで引っ張っていく。

四章は途中までしか読んでいない。

終章では最後の最後に官兵衛の10カ月にわたる奸計の秘密が解き明かされ、死んだと思っていた松壽丸(後の長政)に会う場面はこの小説のどんでん返しだ。

作家は現代ものを多数書いているが、時代物はこれが初めてかと思われる。それにしても時代背景や、言葉遣いが武士らしく、現代ものの匂いが全くしない。何処で時代物の書き方を身に着けたのであろう

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