2026年4月16日木曜日

虫めでる姫君  黄港佑

ミステリーもの。以下ネタバレ。大納言の姫が毛虫を集めているが、その死骸をどう処置しているかが分からない。結局、骸を姫が食べていたと最後のページで分かる。

悍ましい結末。読者は考えつかない。言葉遣いも平安時代のような雰囲気を醸し出し、40年経った後の主人公が姫に会いに行き、真相が分かるという設定も面白い。

後味が悪い。毛虫を長年食べ続けた姫は火葬されるが、主人公は、その骨を食べる。最後の一文は「消えない苦みが、ざらりと舌の上に残った」。同じように、ざらりとした、歪なエンディングである。無理に大納言時代に合わせようとする、持って回ったような表現が多い。

堤中納言物語『虫めでる姫君』を題材にしている。作者の応用力に関心した。

京都短編ミステリ―大賞授賞作品 原稿用紙88枚

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