言い争い、ばかりしている話。面白くない。読んでいて厭きが来る。駄作だ。
剛志と清志の諍い。と剛志と多美子の諍い。剛志と意思の疎通がなさそうな息子の悟。清志と桂子の言い争い。
読んでいて主人公が誰だか分からなくなる。同じ段落で、A視点で書いているのが、B視点に替る。これが、どのページにもあり、登場人物の誰かに感情移入ができない。
「木の声が聞こえる」「豊橋が見える」の場面がやや良かった。しかし、人にお勧めはできない。
一つのテーマに沿って、話が展開していかない。山場がない。桜を移植する職人気質とか、剛志の生き方の変化とか、兄弟愛とか、そういう一本芯が通ったものがない。
文化庁芸術作品賞と向田邦子賞受賞が信じられない。
恐らく、脚本を小説化したからかと思う。脚本で読むと違うかも。