2022年3月23日水曜日

Crooner by Kazuo Ishiguro

 Janeck(protagonist) helps Mr. Gardner to sing on a gondola below his wife's window as a memorial present for her, accompanied by Janeck's guitar. After singing, Mr. Gardner confesses their divorce. He was an old man, passed his day, but Mrs. Gardner is still young and may go upwards steps. His glorious days are remembered by Janeck's mother, a fan of Mr. Gardner.

A light touched short story. Too elaborate. It is obvious that it was a made-up story. Before they sails to the window, Mr. Gardner tells about his wife. That was too long. The story should be much more concise. Not exciting. I was not able to identify with Janeck.  NO moving story. Not entertaining.

2022年3月17日木曜日

装束ゑの木 出崎哲弥

 101回オール読物新人賞受賞作だけあってか、話が二転三転して思わぬ展開になり、読者を裏切り、裏切り最後まで引っ張っていく力作。

ミステリー的な要素もあり、読者を楽しませる。文章もこなれている。

難点

①狐狗狸(こくり)様占いが出来すぎ。三本の割り箸の上に盆を置いて「カタ」とか言う音が巧く出るだろうか。足を掛軸のほうに向けるだろうか。

②死なないようにするには1000日の王子神社参りをすることが必要とは、祓い清めにしても長すぎる。二年半も毎日というのはおかしい。

③ぼろ布を王子製紙工場に売るのが魂胆であるが、そんなにうまく話が進むだろうか。


2022年3月6日日曜日

羆嵐 吉村昭

羆の恐ろしさがどろのページからも伝わってきて、読むそばからおそるおそる読んだ。ついに銀四郎が斃したところで、ほっとしたが、区長の「肝は持っていってくれ」の言葉に怒った場面が残っていた。「結」もいい。

区長や村人、六線沢、三毛別の村人、応援に来た200人ぐらいの他所の村人、分署長、警官たちの動きが微に入り細に入り描かれていて、臨場感がある。区長の心理描写もうまく、区長に感情移入した。

吉村氏の取材が徹底していたことが行間から伝わる。

素晴らしいドキュメンタリー。