2021年5月20日木曜日

谷干城夫人 吉川英治

 西南戦争のとき、薩摩軍に対して熊本城に籠城した三千の官軍の谷干城将軍夫人の活躍を現わした。城兵は食糧が尽き「弾があれば敵兵を撃つか、雀を撃つか迷う」ほどになり、戦意を喪失している中、夫人は婦女を従え、空の食糧庫にはいり、溝や板の隙間や土に埋まっている粟などの穀類を掘り起こし、なんとか兵士の腹の足しにする。

腹ごしらえをした城兵はやる気を起こし、さらに数日籠城していると援軍がやってくる。

西郷軍と官軍の戦いを記載せず、もっぱら、フィクションかと思われる谷将軍夫人の功績を著したした。まともに戦いを書かず、側面を攻めた。

題材としては貧弱だが、これでも短編として成り立っているらしい。


2021年5月15日土曜日

忠助の銭 澤田瞳子

 疑問に思うところ三点

① 暴れ馬から助け出した大吉の祖父母は、忠助にお礼をしていない。なにがしの銭を払うとか、何らかの行動があってしかるべきなのに、何も触れていない。

② 最後の場面で、心中すると確信した忠助は二人の後を追うことをしなかった。普通なら、追っていくはずなのに、そうしなかった。

③ また、背におぶさった娘が忠助を見て、「銭を使ってくれ」と言っていると勝手に思ったが、不自然。銭がどこに置かれたのか、位置関係が分からない。確実に渡す思いがあれば、直接渡すはず。

2021年5月12日水曜日

The Case for and Against Love Potions by Imbolo Mbue

The Case for and Against Love Potions

Imbolo Mbue is a native of Limbe, Cameroon, and a graduate of Rutgers and Columbia Universities, Mbue lives in New York.

The writer is clever because she attracts the reader with a "love portion" as a MacGuffin. 
The writer presents two examples which use the effect of a "love portion": Wonja uses it in a wrong way and ends up with becoming mad while Gita wins her husband Ikolo by using the love portion. 
The two are well balanced. 
This is a humorous and amusing fairy-like story. 
This story seems to be meant to children, but it was  published in "New Yorker." I don't know why. The message it has is great enough to be published in a well known magazine?