2016年6月26日日曜日

Three Short Moments in a Long Life John L’Heureux

Funny and humorous, but sad at the same time.

The ending is very impressive, and well contrasted against the rest of the “noisy” story.
The three parts seem to stand separately, but connected in the bottom. It is difficult to understand that the protagonist is the same person in The Spy, The Writer, and The Substance of Things Hoped for. When you become as old as the protagonist, you look back your life in the way the writer describes. Every old man has his boyhood, and middle aged times.

How sad and touching the ending part is:
“… And then, as we draw one last breath together, I snatch your hand. And hold it. Holding it, and holding it, and still holding it, I breathe out.”

窓 バリー ユアグロー

父の幽霊が家の中に入りたがっているのに、母親は「人生は生きている人間のためにあるのよ」と言って、娘の願いを突っぱねる。
ショートショート固有のどんでん返しとか意表をつくエンディングではなく、悲しいunhappy endingとなっている。
この作家のショートを20篇ほど読んだが、どれも後味の良くないものばかり。

例えば、カンニングが見つかった象が警察に射殺される;お前はうちの子じゃなくて貧しいうちの子だと打ち明けられて貧乏な親が引き取りに来る;守護人に見放された男がそれに気がつかないなど。結末が常識を逸脱して哀れな結末になっているところが味噌。

あやかしの鼓 夢野久作

長所

1. 出だしの10行(……皆この鼓の音を聞いたため死を早めた)で読者を話しに引きずり込む。

2. アイデアがいい。100年前の怨念が現代によみがえる

3. 鼓の話でこれだけの話(150枚ぐらい)が書ける才能。

4. 結末に向けてどんどん読者を引っ張っていく

短所

1. 後半が目まぐるしく展開していくが(火事、未亡人の変態性、妻木のツル子の殺害、老先生の首吊り自殺、ツル子は実は綾姫の末裔など)、読者の威容をつく場面が多すぎてついていけない。

2. クライマックスが長すぎて、却って話のクライマックスがない。

3. 話が複雑に入り込みすぎで読むのに一苦労する

4. 話が出来すぎている。いかにも読者を楽しませようという魂胆が見え見えの作り話。自然体でない。

5. 分からない点

p.138 「みるみる鼓の音に明るい味がついて来てやがて普通の鼓の音になった」
  p. 140 「霊魂の迷いを晴らす道はもうわかったろう

   p. 142 「音丸久能の恨みはこの間老先生の手で晴らされている」