2011年6月11日土曜日

村上春樹 「苺」 「雨の中の噴水」

「苺」 


未熟な友江を未熟な白っぽい苺にたとえ、友江が龍次と関係を持ったことで成熟し、赤く熟れた一語になると言う着眼点が良い。最後のシーンで「あんまりいじくり廻したせいか」の表現に村上の卑猥な遊び心が出ている。


「雨の中の噴水」

オーヘンリーの味がある。明男の尊大な一人よがりが崩れる最後のシーンは痛快。ただ、話ができ過ぎ。どうして雅子は「何んとなく涙が出ちゃったの」か。また、噴水の描写がくどい。

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