2019年5月15日水曜日

川端康成 雪国


全然面白くない。だらだら、ながながと、島崎が駒子の外見、内面をつぶさに観察しそれを言語化している。話が全然展開していかない。三年間で駒子がどのように変化しているかを著しているとは思うのだが、顕著な変化はない。ただ、べたべたと駒子の島崎に対する心情をこまごまと描写している。ドラマがない。しいて言えば、葉子の死がドラマチックではあるが。起承転結の、起があって、あとは承承承承……と続く。退屈する。長編であるのに感動がない。

駒子の心情(肉体関係を求めているのだが、はねつける矛盾か)をうまく描いてはいる。ただ、駒子と葉子に好かれるという川端自身の自己満足小説ではないか。

どこで話を始めてもいいし、どこで終わってもいい。始まりと終わりのない小説。

蚕の話が長いが、どういう意味があるのだろう。島崎と駒子は肉体関係があったことを「指が覚えている」で表しているが露骨。駒子が「聞き間違えて」怒るが、何のことかわからない。

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