明治5年生まれの作家。三人の登場人物(次郎左衛門、八橋、栄之丞)それぞれの心理描写を克明に描写している、神視点の作品。お大尽の次郎左衛門は千両の大金を吉原の八橋に注ぎこみ、無一文になる。八橋は栄之丞と深い中であり、三角関係。無一文になった次郎左衛門は八橋を切って切腹しようとする。心理描写が微細でくどいくらいに描かれている。次郎左衛門も栄之丞もあれこれ迷う質で、優柔不断でのらりくらりとつかみどころがない。八橋を殺そうと企てる辺りから、俄然面白くなり、一気に最後まで読んだ。
江戸時代の事柄が分かるし、吉原のことも分かる。花魁言葉も巧みに使っている。
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