猫一匹を題材にしてこんなに長い小説を書くことができるのか。猫を可愛がる庄造と、庄造の先妻と後妻と、庄造の母親を巻き込んでの罵り合い、嫉妬、憎しみ、悔悟のドラマが延々と続く。庄造がいかに猫を可愛がっているかが、事細かに描かれている。くどいくらい。庄造が後妻を恐れながらも、猫に会いたさで、先妻の家に行く。彼の心情が手に取るように描かれている。小説家はこれぐらい細かく心理を描くべきなのか。しかし、当の本人(本猫)は庄造の気持ちは全然わかっていなくて、悠然としている点が面白い。
2009年10月から私が読んだ本の中の主だったものの読書感想文です。ご意見ご感想をください。
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