2012年4月25日水曜日

遠藤周作 男と九官鳥

 実に面白い短編。ユーモアの中にペーソスあり、ペーソスの中にユーモアありで大いに読むのを楽しんだ。
 三人の男のそれぞれの個性や堀口主任の性格がうまく描かれている。文学的な美文調でなくても、読者を十分引きつけていく力がある。タイトルの「男」とは三人の男たちのことであろう。 九官鳥の「ゲロゲロ」と「マヌケ」を上手く使っている。終わり方もいい。
 周作は肺病を患っていたらしい、自分の闘病体験をユーモア仕立てにした。

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