2012年7月22日日曜日

めずらしい人 川端康成

女房と離婚し、世話女房の役をしていた息子が結婚して家を出てから、父は「めずらしい人」に会った話を娘に聞かせる。余りにもめずらしい人に会う回数が多いので、娘っはあるとき父の後をつけていくと父があっていた相手は自分の母であった。その後、母に合うためにまた後をつけていくのだが、父が話しかけた人は怪訝な顔をする。 自分の身の回りをしていてくれた者が消えて、心の安定を欠くようになった老人が、安定を求めて、めずらしい人に会ったという幻想の世界に入り込む。 妄想が始まった老人の悲哀を描いた。  始めの方のめずらしい人に会ったのは本当の事なのか、または全部老人の妄想なのかをえさせる短編である。

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