2013年4月14日日曜日

むかしばなし 小松左京

 設定が良い。民俗学の大学講師を背景にちらつかせ、最もらしい話に仕立て、最後にどんでん返しで、姉を殺したという事実が突きつけられる。読者は、ここで驚くが、実はこの話は二重のどんでん返しになっていて、「おかね婆さん……」のところで、婆さんのいたずら話ということがわかる。  
 知識階級が婆さんを見下し、まるで珍しい動物を観察しているような講師と大学生達をギャフンと言わせていて、小気味よい。

小松 左京(こまつ さきょう、1931年1月28日 - 2011年7月26日)は、日本の小説家。『復活の日』(1964年)『エスパイ』(1966年) 『日本沈没』(1973年) 『さよならジュピター』(1982年) 『首都消失』(1985年)

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