2013年8月8日木曜日

テンペスト シェイクスピア

ミラノ公プロスペロが弟のアントニオに簒奪されるが、妖精エアリエルの魔法を使って、アントニオ、ナポリ王のアロンゾーや家来を懲らしめる。最後はナポリ王の息子ファーディナンドとプロスペローの娘ミランダが結婚する。

ハッピーエンドストーリーで、ハラハラドキドキやスリルがない。復讐劇でもないし、悲劇でもない。強いて言えば喜劇だろう。(キャリバンとトリンクローのやり取りがあるが、そう面白くもない)

どうでも良い台詞が多すぎて冗長、途中で飽きてしまう。話の展開が遅い。残忍さ、裏切り、人間の業、思わぬ展開などが全然ない。生ぬるい湯につかったような、中途半端な話。

恐らく英文で読めば、韻文で素晴らしいのだろう。日本語の訳では、いくら名訳でも(小山田雄志)原文の味が出ない。

2013年8月3日土曜日

変身 カフカ

家族の一員が大病を患い、顔の形が変わり、手足の自由が効かなくなると、家族は一員であることは頭では理解していても、生理的に厄介者として扱うようになり、死んでしまうと厄払いができたと思い、希望の光さえさしてきたと思うようになる。
病人自身は家族ひとりひとりの態度に一喜一憂するのだが、どうしようもなく、ただ衰えていくばかりだ。
恐ろしい話だ。