2016年5月25日水曜日

Good Country People by Flannery O’Connor

  A surprising ending for the reader, and a cruel ending for Joy-Hulga and a well-developed plot. She does not believe in Christianity but in good nature in human-beings. However, Pointer, the bible salesman, seemingly a pious Christian, is actually an evil. He enjoys teasing handicapped women—Hulga and the woman with artificial eyes. He never looks like one.
  A good short story does not end as an ordinary reader expects. This work is a typical example of this kind. The contrast of pious Hulga and evil Pointer is the key point of this story. What will become of Hulga-Joy? She has a JOYful life by education, but she turns out to be a miserable girl like Hulga.
  The ending paragraph where Mrs. Hopewell and Mrs. Freeman talk about Pointer without knowing his true nature is also good.

2016年5月22日日曜日

競馬 織田作之助


〇エンタメとしては最高に面白い。

〇文章が流れるように書かれていて、スピードがあり、どんどん読ませられる

〇プロット作りが巧い。競馬のシーンから一の字にこだわる。一は一代から、一の入れ墨をした色白の男の登場。男に嫉妬。最後に共に大穴を当てる。引き付けていく技は凄い。

〇主人公に感情移入を見事にさせる。

〇何度も読んで短編修業をするお手本だ。

夫婦善哉  織田作之助


大変面白かった。

〇柳吉と蝶子の二人の関係はどうなるのかと言う思いにつられてどんどん読み進んだ。

登場人物、柳吉、蝶子、種吉、が手に取るように描かれている。特に柳吉の描写はうまい。どうしようもない放蕩男で、芸者遊びが抜けきらぬ男、かと言って単なる放蕩ではなく頭も切れて、働くときには働く。

蝶子はあんなどうしようもない柳吉に惚れ込んで仕事を転々と変え嫉妬や貧困に負けずに甲斐甲斐しく生きていく。蝶子には同情する。
最後の夫婦善哉を食べるところで終わるのもいい

〇文章が、大正時代の文体で書かれ、漢字が多い割には流れるようで読みやすい。大阪弁も文体を滑らかにしている。

〇短編もここまで徹底して人間観察をすると面白い作品ができる。読者に登場人物の人となりをほぼ完ぺきに伝える文章力が必須

〇粗筋的なところもあり、長編小説にしても面白く読んでいける

2016年5月9日月曜日

美しい水死人 ガブリエル・ガルシア・マルケス

マジカルリアリティ作品。現実には長い間海につかっていた男が、殻や鱗や海藻を落としても、美しい顔が現れてくるはずがないのに、この作品ではまるで本当に美しい男の顔が現れ、村中が葬儀に参加し、隣村からも花束を持って来たり、果ては村の近くを航行する船の船長までが「あそこがエスティバーンの村ですよ」という。 ありえないことを、ありえたことのように書かれていて面白い。その筆力がすごい。