歌麿がどのように美人画を描いたかとか絵を描くときの苦労談は一切なく、もっぱら、美人画のモデルとなった女について書いている。六章あるが、各章ごとに異なる女性を登場させ、その女の美しさに加えて性質、生い立ち、家族などネガティブな面も活写している。女は茶屋の娘、遊女、人妻など多彩。女の他に登場するのが、蔦屋重三郎、式亭馬琴、山東京伝、写楽など、藤沢独自の想像力を駆使して人間関係を描いている。最終章では年を取り絵筆が粗くなっていき、女の秘所を見る所で終わる。
どの章も同じような内容で、女が登場し、その女の絵を描き、女が消える。読者を感動させるような構成はなく、単に、歌麿がどういう生活を送っていたかを描いた淡々とした見せ場のない話ばかり。全編通じて歌麿の視点で書いている。
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