半田市のミツカン酢がどのように創業されたかが、史実を元にフィクションを交えて書かれている。
著者は膨大な史料を元に月刊誌「パンプキン」に二年間にわたり連載した小説である。
中野又左衛門三代を章ごとに纏めて描いた。酒粕から酢を独立させ、江戸で販路を広げ、次第に繁盛していく様子が描かれている。史料を相当読み込んだと思われる。
家系の繋がりが、ややこしくて、そちらに重点が置かれている場面も多、退屈で退屈であった。むしろ、そこは簡略にして、如何に酢を売れるようにしたかを書いて欲しかった。書いてはあるのだが、説明が多く、目に見える描写が少ないページが多かった。Don't talk but show.
荒筋で話が進んで行くのが多かった。しかし、描写を詳しく描くと、ページが多くなり、妥協するしかないか。
世代が変わってもなお今日まで続く基礎を作った創業者たちの苦労が分かった。
私の実家、大垣の味噌溜屋「小橋口清水屋」で、ミツカン酢を売っていた。こんな歴史があるとは知らなかった。
早亭北寿(北斎の門人)の弁財船の表紙がいい。
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