2009年12月23日水曜日

松本清張 「顔」

問題点  車窓で見た犯人の横顔が話の味噌になっていて、面白いとは思うが、実際人の横顔を見る場合は、その人の正面からの顔も記憶に残るはずだ。  石岡は料理屋で井野と偶然相席になった時、井野の顔を認識しなかったのはおかしいのではないか。特に井野は奇異な顔と言うことを作者は何度も「顔」の中で指摘しているだけに、相席になった時、井野を認識しなかったという設定には無理がある。それが映画の中で井野の横顔がスクリーンに映って気がつくと言う点はどうも合点がいかない。

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