2014年7月17日木曜日

11/22/63 スチーブン・キング

 読んでがっかりした。この本はケネディ暗殺についての話だということは知っていて、キングは暗殺をどう取り扱うか興味津々であった。
   [ネタバレ注意] ところが、リー・オズワルドは暗殺に失敗し、ケネディがアンバーソンに命を救ってくれたお礼の電話をする。こんな話なら誰でも書けるではないか、過去に行って歴史的人物を、殺される前に救うなんて。例えば、古代ローマに行って、カエサルを救うことだってできるのだ。過去に戻っても歴史的事実を変えることができないというのがタイムトラベル物の根本原則だ。
 私の読解したところによれば、キングのタイムトラベルに関する考え方は、「過去をリセット」するということらしい。「兎の穴」は歴史的事実とは違う過去に連れて行く。これはインチキではないか。読者を馬鹿にしている。キングによれば、違う過去が複数あるらしい。  
 最後のシーンで、アンバーソンはセイディとダンスをするが、オズワルドに殺された女性とダンスをするなんて。どうしてできるのか。  
 この本がいろいろ賞を獲得しているが、どこがいいのか。

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