2015年4月26日日曜日

娼婦の部屋 吉行淳之介


  私の好みに合わなくて、面白くない。なぜか?

1.      だらだらと話が展開していくため、読者を引っ張っていかない。。

2.      情景のイメージが湧かない。心理描写が理屈っぽくて感情移入ができない。

3.      文章表現が平凡で特に優れている印象はない。

4.      主人公が魅力のある男性でない。最後に主人公が言う台詞「そうか、元気でやりたまえ」はないでしょ。主人公は秋子によって、毛を毟り取られたような気持ちが、回復して人間らしくなって部屋から出ていたという恩義があるのに「ばあさん」になったとなると、簡単に捨ててしまう冷淡薄情さ。

5.      最初の学生服でのインタビューの話全体の意義がわからない。骨相学についての展開があるかと期待したが、そうでもない。

ほめるとすれば、3年のうちに主人公は秋子に対して心が変化していくが(「この町は私を必要としなくなっており、私もこの町を必要としなくなってしまった」)黒田の秋子に対する態度が不変であることのギャップが面白いと言えば面白い。

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