佐伯氏は時代物小説の名手で「居眠り51話をを始め、夥しいかずの小説を書いている。1942年生まれだから、わたしの一歳年上。現在79歳。老齢にして健筆ぶりを発揮している。時代物を書いている私としては、どういう時代物を執筆されるのかと思いつつ、今日まで読む機会がなかった。今日「武士の賦」第一話「初恋の夏」を読んだ。
時代物でいろいろ江戸時代の用語が出てくる。江戸藩邸、御長屋、近習目付、士分、老女など。江戸時代の社会のことを知る必要があると思った。
話は4歳の利次郎が15歳の春乃に心を引かれるが、粗暴ゆえに祖父の家に預けられ6年が過ぎ、10歳のときに娘になった春乃に会う。淡い恋心を幼子ながら持っていたが、6年ぶりに会った春乃は「嫁に行きます」と言い。「利次郎はその言葉に両眼を閉ざすと、混乱する頭の中から、『幸せにな』と絞り出した。」
話は単純明快で、分かりやすく、読みやすい。時代物だと言ってガチガチにする必要はないことが分かった。
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