よくできた話。作者は浄瑠璃のことにくわしい。専助が近松半二の娘、おきみを世に出すため、柳太郎(近松やなぎ)に肩入れする。その心意気がうまく描かれている。「彫刻左小刀」は実際にあった浄瑠璃で、専助添削、柳太郎作だ。作者がこのことを小説にしたのだが、その才能が素晴らしい。大阪弁もいっぱい出ていて上方の雰囲気が出ている。
最後専助は楽しい浄瑠璃極楽を夢見つつ死んでいき、おきみ(近松加作)が大成するかどうかは、語ってない。そこが余韻というところか。
おもしろかった。
2009年10月から私が読んだ本の中の主だったものの読書感想文です。ご意見ご感想をください。
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