明治の初め、九州で実在したが、価値がなくなった西郷札と言う紙幣を素材にした話。清張デビュー作。朝日新聞が募集した作品の中で第三位を獲得した。
話は、西南の役で活躍した村雄吾の手記に基づいて書かれているように仕掛けてある。全部フィクションだが、松本清張はうまくカムフラージュして、あたかも本当にあったかのように読者に思わせるため、ところどころ手記の原文(創作)、原文を匂わせたりしている。政府高官にまんまと詐欺にあうという詐欺事件をうまく描いている。
2009年10月から私が読んだ本の中の主だったものの読書感想文です。ご意見ご感想をください。
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