2023年4月30日日曜日

アサッテの人 諏訪哲史

 芥川賞を取った小説ということで、読み始めたが、生理的に受け付けない。話が多方面からの視点で語られ、作者があちこち顔を出す。主人公の叔父が突飛もない言葉、ボンパを発する。叔父の吃音が急に治ったり、エレベーターの中を見るカメラを通して中の人物のありのままの姿を描くなど、叔父の日記からの引用が続き、話が飛び飛びで、分かりにくい。

作者は國學院大學哲学科卒業で、哲学が専門。その専門知識と視点を色々変える手法に、作家の声を挿し挟むという”斬新な”ことを考えて描き上げたか。全然面白くない。

時間の無駄で、読むのを途中で止めた。もっと読むべき価値のある作品が一杯ある。芥川賞選考委員の石原慎太郎、池澤夏樹、宮本輝の三氏は「アサッテの人」に授与することに積極的に反対していて安心した。芥川賞受賞作が必ずしもいい作品とは限らない。

0 件のコメント:

コメントを投稿