クイズを解くような展開の小説。愚息と言う坊主が大道で四つのお椀にサイコロを入れ、客にどの椀にサイコロが入っているか当てさせる賭けをやっている。客が一つの椀に決めると、坊主は他の二つの空の椀を開け、残り二つのうち、どれかを当てさせる。どちらかにサイコロが入っているから、確率から言えば五分五分であるが、何度も賭けをやっていく内に、坊主のほうが有利になって行く。摩訶不思議なクイズであるが、この話が延々と400ページある小説の半分ぐらいを締めている。詰まらん小説だと思っていたが、後半は引き込まれた。
光秀が信長に命ぜられてある城を落とす場合落とす道は四つあり、どれを選ぶかで、愚息の指示に従って城を落とす。タイトルと明智が結びつく。調べると、これはアメリカのクイズ番組“Let’s Make a Deal”の司会者名を取ってMonty Problemと言う。この場合は、扉が三つで、当たりは車、外れは山羊らしい。
著者はこのMonty Problemを400ページ余もの小説に仕上げた。着想から壮大な小説を生み出した技に感服。最後の章では、なぜ明智が信長を討ったかについての愚息の意見が述べられる。普通のミステリーとは大違い。
私はMonty Problemが分かるようで分からない。 レンマとは補助定理らしい。
In mathematics, a lemma is a helper theorem—a smaller proposition used to prove a bigger one. It’s like a stepping stone across a river, helping you reach the main proof.
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