2010年1月30日土曜日

三浦哲郎 「みそっかす」

 食中毒による下痢で妻が病院に運ばれ、無事に回復するという、ごくありふれた家庭の事件を一つの短編にしている。最後に「みそっかす」「甘茶っ子」と言う概念を持ってきて話を締めくくり、この緊急事態をほのぼのとした少年時代の思い出に結び付け、てんやわんやの騒動が穏やかな雰囲気にすり替えている。読者は妻が大病かもしれないと言う緊張から解き放たれる結末になっている。  話し手には3人娘がいるが、その内次女と3女は同居しているが、長女は結婚して別居しているのかどうかが分かりにくい。

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