2013年7月28日日曜日

短夜 内田百閒

 怪談もので面白いが、結末が予想通りで吃驚しなかった。なぜか。 内田百間は恐怖ものが得意だから、最後でどんでん返しがあると予想していた。どんでん返しは、住職が狐で、もう一度主人公を化かすことしかない。どっこい、その通り、また主人公は化かされた。ラフカディオ・ハーンの怪談のなかの「耳なし芳一」とそっくりな終わり方をしている。百間はそれを真似たのか。

展開
一つの事件(事象)が起こるが、そのあとにもっと大きな同じような事件(事象)が起こる。この手法は「ジョーズ」、「未知との遭遇」等で使われている。

読者を惹き付ける工夫
出だしが良い。「私は狐のばける所を見届けようと思って、うちを出た」。次に、奇怪な現象を起こしている。すなわち「蛍が一度に消えてしまった」と「鯉は二匹とも消えてしまった」

欠点
始めの13行ぐらいに同じ言葉が何度も繰り返される。「所所」が3回。「向こう」が4回。有名作家になると許されるのだろうか。文体がスムースでなく、ぎこちないところがある。

内田 百間(うちだ ひゃっけん、1889年(明治22年)5月29日 - 1971年(昭和46年)4月20日)は、夏目漱石門下の日本の小説家、随筆家。本名は内田 榮造。迫り来る得体の知れない恐怖感を表現した小説や、独特なユーモアに富んだ随筆などを得意とした。ウキペディア

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