2014年6月27日金曜日

小僧の神様 志賀直哉

タイトルが良い。読者をひきつける。仙吉も仙人と結びつければいい命名だ
小僧とAの心理描写が巧い
章分けが良い。

最後に問題あり。「ここで筆を置く事にする」から始まる段落は作者の意見がいきなり出て、通常の小説には見られないエンディングとなっているが、こういう終わり方もOKなのか。志賀直哉だから許されるのか。第5章で「彼は考え出鱈目の番地と出鱈目の名を書いて渡した」とあるが、これは何のために作者は入れたのか。伏線として入れたとすれば、この伏線に対する係り結びがなければならない。ところが結びをはぐらかしているが。この点が宙ぶらりんである。伏線でなければ、住所を書かせる場面は入れる必要がない。

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