2014年6月27日金曜日

網走まで 志賀直哉

子連れの女性の動作が事細かに描かれており、映像を見るような筆使いが見事。母親の気苦労が伝わって来る。エンディングが唐突である。(葉書きのことは、最後に出てくるから、何の葉書か読者はわからない)しかし、妙に余韻が残る。こういう終わり方をしても良いのだ。
芥川の「蜜柑」は完成度が高いが、その分完成されすぎ。「網走まで」は中途半端な終わり方だが、芥川と同じくらいインパクトがある。

 

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