2014年12月16日火曜日

橋づくし 三島由紀夫

 よくできた話。落語のよう。願をかけた4人が、腹痛、知人、警官によって橋を7つ渡るという願がぶち壊しになるが、田舎での不細工なみな、だけうまくいく。
 近松の浄瑠璃「天の網島」の治兵衛と小春が心中道行最後の段で橋づくしのくだりをヒントに昔からある無言の願掛けを足してできた小説だと思われる。 出だしの「元はと問えば分別の、あのいたけいけな貝殻に一杯もなき蜆橋、短き物は我々が此の世の住居秋の日よ」の「分別の」の「の」は主格の「の」で、分別が蜆貝殻いっぱい分もなかったため、短い命を絶つことになる、というような意味か。
 不可解な点
  なぜ、三島は、出だしから約1ページも使い小弓を食いしん坊加減を詳述しているが、何のためか。腹痛を起こすのはかな子であるのに、わからない。
 

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