2012年6月24日日曜日

不意打ちの幸運 A Stroke of Good Fortune by Flannery O’connor

テーマ:子供は母親を干からびさせる悪なのか、神から与えられる宝なのかという疑問を投げかけている。Rubyにとって、妊娠は「不意打ちの悪運」であるが一般的には「幸運」

1.タイトルA Stroke of Good FortuneのGood Fortuneは登場するHartley Gilfeetのことでもある。Hartleyの母親はHartley(拳銃を持った乱暴な悪餓鬼)のことをLittle Mister Good Fortuneと呼んでいる。最後にHartleyがRubyに突き当たり疾風のように階段を駆け上がっていく様はまるでstroke (=vigorous movement)だ。わざわざ最後の最後に作者がHartlelyを出して階段を駆け上がらせたのはこのためである。すなわちHartleyの動きはA Stroke of Bad Fortuneだ。

2.二人の同じビルの住人の言葉も意味深長だ。まず、Mr.Jerger (78)が、若さのもとは体内にある胎児のことを間接的にRubyにつたえている。次にLaverne WattsはあからさまにMOTHERと言っているが、Rubyは気が付かないし、気がつこうとしない。というのは、ルビーの母親は34歳でしなびた黄色いリンゴのようで、白髪交じりになり、子供を8人産んで、死産が二人、ひとりが一歳未満で死亡、事故で一人死亡している。このためRubyは赤ん坊を産むことの恐怖、産みたくないという強迫観念におそわれているから。

3.Rubyは吐き気がしたり、目まいがすると「心臓病じゃないかしら」と思う。私も、そう思った。同様に下腹部で何か動いているような気がすると「癌ではないかしら」とか「ガスのせいだ」と思う。私も、そう思った。さらにBill Hillが避妊器具で五年間失敗したためしがないと言っているから、私も妊娠ではないと思ったが、結末で妊娠していることが明かされる。オーヘンリーのようなエンディングだ。

Theme of the story: Is a baby a good fortune or a bad fortune, which will ruin his/her mother? For Ruby, a baby is a bad fortune because she knows how her mother suffered from raising babies.

Interesting Point
What is Good Fortune in the story? It is Hartley, for his mother calls him “Little Mister Good Fortune.” In the end of the story, he (as a bad fortune) runs up the stairs hurriedly and violently (as if he were a bad fortune) crashing Ruby. Stroke means vigorous movement. Thus, A Stroke of a Good Fortune is actually A Stroke of Bad Fortune.

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