2012年11月26日月曜日

忍ぶ川 三浦哲郎

 落ち着いた文体。緩やかな無理のない展開。「うち! あたしの、うち!」という心に響くエンディング。どんでん返しも、意表を付く展開もなく順々に読者を話に巻き込んでいく力がある。志乃、志乃の父親、志乃の妹などの登場人物の性格描写もうまい。  すべてがトントン拍子で終わっていき、なんの凸凹もないのだが、後味の良い小説。

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