2013年12月23日月曜日

逃げ道 筒井康隆

顛末がドキリとさせる話。これは悲喜劇? コンビニがある今どき、「お坊ちゃん」の食べ物が買えなくて心中する母子がいるだろうか。話に無理があるが、筒井はそのことを承知して書いているのだろう。ドキリとさせる手法はチェーホフの「ねむい」に通ずる。「簾見」という駅名が面白い。天皇が簾の奥から指図するように、秋夫は婆やに指図をする。 あれあれ、一体どうなるのだろうと思わせて、話を終わらせインパクトを与える短編のひとつの手法がつかってある。

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