2017年7月9日日曜日

ロング・グッドバイ テネシー・ウリリアムズ

主人公ジョーの精神的不安定をノスタルジー的に描いている。音響効果、舞台設定(隣の寝室、電話機)効果的。

ジョーが生まれてから過ごしたアパートの部屋の家具一つ一つが過去の思い出を語っている。その思い出に浸るジョー: その思い出が母と妹の霊が舞台に現れることによって鮮明に当時のことがよみがえる。また親友シルヴァがジョーの苦悩を浮き彫りにしている。

1.過度に神経質で妹のマイラのことを心配していた母親が薬物で自殺した思い出。母親は「ガラスの動物園」の娘の将来を過度に心配するアマンだとよく似ている。

2.母が生きていた時はちゃんとした娘だったが、死んでからは身持ちを崩した淫売のようになってしまったマイラ 親友のシルヴァの役割は、ジョーの分身的役割。ウィリアムがホモであったことも影響している。

「ジキル博士とハイド」ではジキルは善、ハイドは悪として描かれているが、この作品ではシルヴァは現在を生きる現実的男、ジョーは過去に生き、過去にしがみついて生きる感傷的な男として描かれている。

運送屋が家具を運び出しているのは思い出が一つ一つ消えていく象徴としてあらわしている。だから、翻訳で322ページにもんだいがあり。 あんたがいなくなる前にこの家がつぶれちゃうわーー何もかも食いつぶされ、なくなっちゃうわ! 原文では They’ll move every stick furniture out of this place before they do you! とある。だから あんたがいなくなる前にこの家がつぶれちゃうわーー何もかも食いつぶされ、全ての家具がなくなっちゃうわ! とすべき。

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