2020年10月18日日曜日

一朝の夢 梶よう子

宗鑑(実は、井伊直弼)と言う風流人が登場し、朝顔の栽培に没頭する主人公・興三郎と朝顔談議で懇意になる。

里恵や村上やら鈴やなどを登場させ、水戸藩と彦根藩、安政の大獄の時代背景を巧みに取り込んで物語を展開する技は見上げたものだ。里恵や村上が死ぬ辺りから、話はどんどん進展していき、クライマックスに向かって突き進む。最後は直弼の暗殺、その後、興三郎の黄色の大輪の朝顔が咲く。これぞ松本清張賞受賞作品だ。

著者・梶よう子はどのようにしてここまで巧く書けるようになったのか。

情景描写、人物の動き、表情など描写も見事で学ぶところが多い。

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