2009年10月5日月曜日

夏目漱石 「心」 永日小品

 話の前半、小鳥が私にひかれるようにして近づき、私の掌にのる。私は、小鳥がどんな心持で私を見ているのだろうと思った。後半では、不思議な力に引き寄せられて、私はある女の後を「どこまでもついて行った。  小鳥の心と、私の心をうまくダブらせたところが面白い。情景が事細かく描写されている。  「鳥は柔らかな翼と、華奢な足と、漣の打つ胸の凡てを挙げて、その運命を自分に託するものの如く、向こうからわが手の中に、安らかに飛び移った。」 (2009・10・3)

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