主人公は武兵衛。孫の小太郎が、父の敵(武兵衛の子)である左近の下腹を突いて首尾よく仇を倒す話。
話ができすぎ、六歳の小太郎が単に刀を仇の下腹めがけて「吸いこまれるように」突き出すだけで、敵を打てるものか。
伏線として、突き出す技をどのように修得したかを読者に十分理解させておく必要がある。その点、ある武芸小説に、侍が、天井からつるした紐の先端の五円玉ぐらいの輪を剣先一突きで突く練習を何度も何度もやり、完璧に突き通せるようになった。侍は、真剣勝負でただこの突き技だけで敵に勝つという話があった。これなら読者は納得する。(2009・10・5)
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